ジ ュ ラ ル ド ン

ガバガバ感想部

こんにちは

毎日ゲームしたりお気に入りのストリーマーの配信に張り付いていたらいつの間にか8月末である。恐ろしい。

 

さて今回は『Doki Doki Literature Club!』の感想…というほど大層なものではないが、ストーリーを思い返しながらその時思っていたことを雑に書いてく記事である。考察とか感想文の類苦手なので浅いと思われるかもしれないけど許してほしい。

当然だが本記事は重大なネタバレを含むので、DDLC未プレイの人の閲覧は非推奨である。

 

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始めたきっかけ

今までビジュアルノベルにはあまり関心が無かった俺が何故DDLCに興味を持ったか。このゲームを始める3日ほど前、釈迦さんのRust配信でピアノを演奏する戦場のピアニストが現れた。そこで演奏された曲が、DDLCのメインテーマだった。気になる人はTwitchでクリップ探すかつべの公認切り抜き動画でも見てほしい。当然この時俺は何の曲か知らなかったわけだが、DDLCじゃん、というコメントが流れた事で初めて知った。DDLCというタイトルだけは頭の片隅にあった(多分Twitterで見たんだと思う)が、どういうジャンルなのかすらも全く知らなかった。無性に気になったので軽くググったところ、どうやら美少女系ビジュアルノベルっぽい。いつもの俺なら「ふーん」で終わり、ここで踝を返していたと思う。が、たまたまここ数日は俺のクソ雑魚PCでも動く、触れてこなかったジャンルのゲームを探していたところだった。Steamで検索したところかなりの高評価であり、何より無料だという事ですぐDLした。タイトルから日本のゲームだと勝手に思っていたが違かったので少々意外だったが、有志による日本語訳パッチが配布されているので問題無く遊べた。ありがたい。緊張半分、ウキウキ半分で始める。

 

1回目

始めるとすぐ、幼馴染らしい女の子サヨリが登場する。家が隣で明るい性格という、如何にもな幼馴染である。そして半ば強引に文芸部の部室に連れて行かれ、そこで文芸部部長であるモニカ、下の学年で典型的なツンデレ気質のナツキ、読書好きでスタイルが良いが内気なユリと出会う。

この後モニカが文芸部の活動として各々詩を書き、皆で見せ合うという活動を提案する。作詩は画面の右側に単語が表示され、サヨリナツキユリの3人の中で気になる子が好きそうな言葉を選んでいき、それによって翌日の話や見せ合った時の反応を変化させていく。女の子が好きそうな言葉は会話の中や彼女らの詩の雰囲気で判断する。なるほど、美少女ゲーって感じがしてとてもよろしい。この手のゲームはまず雰囲気やビジュアルが気に入った子を推していくのが鉄板だろう。ということで誰を選んだかだが、俺の好みを知ってるフォロワーならお分かりだろう。勿論ユリである。ノータイムでユリである。俺はこういう女の子に頗る弱い。モニカだけ対象外...?妙だな...

1度目の作詩。そういえばユリは最近ホラーものをよく読んでるとか言っていたのを思い出し、なるべくそんな雰囲気の言葉を選んでいく。霊気とか墓地とかはまぁいいんだけど快楽とか絶頂とか虐殺みたいな言葉が好反応だったので少々驚いたが。

どうやら詩を見せ合う前に、一番評価が高くなる子とのCG付きエピソードを挟むらしい。もうこの時点で軽いルート分岐のようなものに入っているのだろうか。1度目の詩の見せ合い、なるほどそれぞれの個性が出ている。

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やはり1枚絵はとても気合が入っていてとても綺麗。かわいい。

そんなこんなでユリの言動や美麗なCGにオタク特有のニチャついた笑みを浮かべながらウキウキでストーリーを読み進め、2度目の詩の見せ合い。心なしか皆の詩が不気味なような…?モニカに詩を見せた際、毎回執筆アドバイスをくれるのだが、何があるか分からないからセーブは忘れずにね、と念を押してくる。この時俺は随分メタいこと言うなw、と冗談程度にしか思っていなかったが、後になってかなり重要なことだと判明する。このタイミングではそんなことに気付くわけもなく、話は進み文化祭の出し物の話になる。新入部員が来てすぐ文化祭…?妙だな…

その日の帰り道、いつものようにサヨリと一緒に帰っていると、もしユリが一緒に帰りたいと言ったらどうするかという質問をぶつけてくる。誤魔化すような選択肢は無く、完全な二択である。こういう如何にも分岐点みたいな選択肢、めちゃくちゃ悩む。個人的にはユリと帰りたい気持ちがあったが、まぁ家隣だし何となく雰囲気的にサヨリ選んどいた方が良さそうだな…とちょっと日和り、サヨリと一緒に帰ると答える。それでも何だか煮え切らない感じで、3度目の作詩へ。

翌日、明らかにサヨリに元気が無い。そういえばサヨリは朝弱かったり片付けが苦手だった。もしかして何かしら精神疾患抱えてる?と察するのと同時に、もしかして今俺はあまり良いルートを進んでいないのではないかと疑い始めた。流石にユリ贔屓しすぎたか、と思ったがとりあえず最初は好みの子を推してくことを決めていたので、なるべく気にしないようにしながら読み進めていく。

サヨリは先に一人で帰り、残った部員で詩の見せ合いに。ここまでユリ推しできたため好感度が上がっているのか、今回の詩はかなり分かりやすかった。明らかに主人公に向けて書いた詩である。というか完全に主人公のこと好きじゃん。むふふ

詩の見せ合いを終えた後、週末に文化祭の出し物の準備を分担してやってくる話に。ここで4人のうち誰の手伝いをするのかという選択を迫られるのだが、ここではユリを選んだ。サヨリの様子が若干気になりはしたが、ここは初志貫徹ということで。ユリと連絡先を交換し 、週末にユリが自宅に来ることになる。

そして日曜。ユリが自宅に来る前、音沙汰が無いサヨリの様子を見に行くとサヨリの部屋のエアコン小さすぎてワロタ、そこで以前から重度の鬱病であることを告白される。やっぱりな。準備に誘ったりするも、全く取り合わない。そうしている間にユリとの予定の時刻が迫り、結局ここでサヨリとは別れる。

「また明日、ね?」 何となく明日は来ない気がする...

やはりこのルートまずいのでは、と悶々としながら自宅に戻ると、ユリが玄関前に到着していた。当然私服なのだが、縦セタに黒いスキニーという出で立ちである。何だか人妻みたいだな ここで彼女の趣味の一つがナイフ集めだということを知る。この時点では悪くない趣味じゃん、としか思わなかったが…

絵の具が付いてしまってタオルを差し出した時のCGがとてもよい。少なくともこの瞬間は、先ほどのサヨリの話は頭から飛んでいた。サヨリが隣の家で鬱に苛まれている最中、ユリちゃんおほぉ^~となっていた。最低な幼馴染である。

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高校生の男女が男の部屋に二人きり、何も起き.........なかった。残念ながらこの日は時間が無いとのことでユリは帰る支度をする。お互い名残惜しいようで良い雰囲気になったのだが、ここで突然サヨリの登場である。タイミング悪すぎか。主人公とユリの距離がどれだけ縮まったのか見に来てしまったらしい。めんどくせぇ 居心地を悪くしたユリが帰った後、サヨリが想いを伝えてくる。ここで再び二択を迫られるのだが、

『好きだ』or『お前はずっと、俺の大切な親友だ』

いや重いって。究極の二択すぎる。どう考えても流れまずいしここは好きだと言っておくべきか…?でもそれだとユリとの二股になりそうだしそれはそれでかなりまずいのでは…?数分悩んだ末、ええいままよと好きだを選択。すると家の前で抱き合うCGが。こいつら自宅前とはいえ外で何やってんだ。どうやらこれでもサヨリの気分は晴れないらしい。救いようが無さすぎる

そして文化祭当日。部室に入るとモニカが既に準備を進めていた。ここでのモニカの黒幕感が半端じゃない。

「あなたはもうちょっと責任を持った方がいいかもしれないわ!」「昨日あんなやり取りを交わしたばかりなのに・・・」「今朝まであの子を宙ぶらりんにさせちゃって」

この発言をいつもの表情で、何なら笑顔も見せながらするのである。怖すぎる。というか何で知ってる…?そして文化祭の出し物であるパンフレットを開き、サヨリの詩を見る。

わたしのあたまからでていけ。

この羅列である。明らかにヤバイ。

「どうかしたの?」

いやどうかしたの?じゃないが。てかパンフレットに載せる詩はモニカが目を通しているはずだし、知らないわけがないだろう。部室を飛び出し、サヨリの家へ。正直もうだいぶ死臭がプンプンなので覚悟はしていた。していたのだが...

サヨリの部屋の前で画面が暗転し、テキストのみになる。そしてドアを開けたと同時に1枚のCGへと切り替わる。覚悟はしてたけどマジでビビった。多分今年入って一番大きく深く重い溜息が出た。案の定、サヨリは首を吊って死んでいた。あとここのBGMが本当に気味が悪い。

あなたの詩がいちばん好きだった人とは、何か良いことが起こるかも!の結果がこれである。いや確かにユリとはお近づきになれたかもしれんがこれじゃ本末転倒じゃないか。どこかで選択間違えたか?

 

これはバッドエンドか、と落胆しているのも束の間、スタート画面に戻ったが様子が明らかにおかしい。サヨリのイラストが表示されていたはずのポジションは他の3人がぐちゃぐちゃに合体したモザイクのようになっており、ニューゲームだったものが文字化けしている。文字化けをクリックすると新しいゲームが始まり、サヨリが現れ...るかと思ったらバグったような表示になりすぐ書き換えられる。主人公はぼっち設定になり、序盤の会話もモニカに置き換わっている。サヨリの存在しない世界線らしい。これ絶対こっちが本編じゃん

流石に他の子は問題無いよな…?という一抹の希望を持ちつつ話を読み進める。しかしサヨリが居なくなったことで部員同士のギスりが顕著になる。というか明らかに人格が変わっている。特にナツキユリの口論は一層酷く、一部は本来のテキストを黒く上塗りして表示されているようで、ログに残らない。本音ということなのだろうか。まぁこうなってはもう後戻りは出来ないので、改めてユリ全ツッパで意識を固める。もうヤケクソである。

2度目の作詩後、とにかくこの辺りの演出は本当に初見だと不気味すぎて「うわぁ……」とか「こっっっわ……」と何度呟いたことか。こちとら今までこういうものを避けてきたせいであまり耐性が無い。BGMは何か不協和音のような感じで時々ズレるし、ピーガッって音を鳴らしながら立ち絵が一瞬バグったりする。ナツキの目が飛び出る演出がこの回では一番きつかったか。あとナツキの目が黒い空間になって歯がむき出しの口がうごめく演出がどこかであったけどこれも気味悪すぎて脳裏に焼き付いてしまった。ナツキの演出怖いの多くね?つい画面から目を背けたくなるような、イヤホンを外したくなるような演出にビビりまくりである。どうも俺はリアルのグロ画像よりもこういった二次元のイラストの一部が崩壊するようなものが苦手らしい。まぁこのゲームの本性がこういうものだと全く想定していなかったから面食らった、というのが一番だと思うが。因みに時間は午前2時頃である。絶対これ深夜にやるゲームじゃねぇ

ユリナツキに前日の口論を謝罪するが、ナツキはその記憶を全て失くしているようで、何も無かったと言う。そういえば前日ナツキが部室から飛び出した後、モニカ「明日には全て忘れてるわ、完全にね」と言っていた。モニカナツキの記憶に介入して消している…?

ユリの暴走はエスカレートし、本格的にやべーやつ感が出てくる。ユリが読書の前にお茶を淹れるための水を汲みに行ってから10分が経っても戻ってこない。様子を見に行くとそこでユリリスカしているところを目撃する。ナイフ蒐集ってそういう… ここでユリの『アライグマ』という詩は自称行為を暗喩しているのかと察した。まさかユリヤンデレだったとは。チョコレートを咥えさせてあげたら興奮してものすごい力で主人公を立ち上がらせ、胸に主人公の手を押し当てて、鼓動を感じさせてくる。はーっ…はーっ… 

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目が怖すぎるってぇ!!!!でも行動自体はえろいと思った

モニカが割って入らなければ一体どうなっていたのか…

2度目の詩の見せ合い、ちょっと怖くなってきたのでユリより先にモニカを選んでみる。するとユリとあまり一緒に過ごすのは危険だと注意してくる。どうやらユリは主人公と居ると興奮しやすく、また興奮すると自傷行為をするらしい。ガチでヤバめのヤンデレじゃねぇか。ヤバくないヤンデレが居るのか知らんけど

そういえばここまで不気味な演出にビビりまくりだったが、モニカだけそういうものが無いような… やはりモニカだけこの世界で浮いてる感じがする。

3度目の詩の見せ合い、モニカを選ぶと「ちゃんと忠告したからね」とだけ言われる。ついに来るところまで来た感がエグい。何かユリは最後の方がいい気がしたので先にナツキに見せることにすると、そこでナツキが最後の良心を見せた。最近ユリの様子がおかしいので何とかしてあげてほしい、というもの。しかしその刹那、ナツキの顔が白飛びし、まるで誰かに書き換えられたかのような発言をする。

「今読んだことは全部忘れて」「モニカともっと一緒にいれば、何も問題はなくなるのに」「これからはモニカのことだけを考えて」

モニカだけ」

 モニカだけ

このゲームの一番有名なミームらしい、Just Monikaってこれのことなんすね。そういえばこの周ではモニカ以外の子とやり取りしていると絶妙なタイミングでモニカが割って入ってくる。明らかに天の視点みたいなの持ってるよね

ユリに詩を見せると「この紙で切り傷を作ってそこからあなたの脂を私の血流に取り込むのです」とか言い始める。ダメだこれ止まんねぇ。やばいやばい。でもこの表情は結構好きかもしれない。あれ、俺ヤンデレ方向の趣味は殆ど無かったはずなのになぁ… ショッキングな展開から俺の方まで頭がどうかしてしまったのかもしれない。肝心のユリの詩だが、血とシミで汚れた紙に判読不明な文字の羅列というもう詩とは言えない何かと化していた。

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いきなり、何の解説も無く謎の『はい』『いいえ』が現れる。俺はとりあえずはいを選んで何も起きなかったけど、いいえ選んだら何が起きたんだろうか。

そして文化祭の手伝いの話になるのだが、ここでカーソルが強制的にモニカに吸われるギミック。ここまで来たら逆に楽しくなってきた。俺は抗うぞ。退かぬ、媚びぬ、省みぬ!の精神である。モニカに吸われるカーソルのリコイルを必死に制御し強引にユリを選ぶ。すると画面が白くなり、中央に紫色の瞳だけが浮き上がり、モニカの選択肢が大量に出てくる。瞳の色的にはユリっぽいけど何か違う気がする。相変わらず気味の悪い演出である。

そしてユリナツキモニカを追い出し、狂気じみた愛を伝えてくる。ここのBGM、不気味なだけじゃなくてはーっはーっと吐息が聞えてくる。多分ユリのだよね

「あなたと同じ空気を吸っていないと死んでしまいそう」「あなたの事を愛し過ぎてあなたから盗んだペンで自らを慰めてしまう程なんです」「あなたの皮膚を切り裂いてあなたの中に入り込みたいんです」

さらっと自慰カミングアウトしてきたけどそんなの今更である。というかここまでが狂いすぎてて普通に見えるまである。何なら主人公の上腕部を切り取ってディ〇ドにしそうまである。

「私の告白を受け入れてくれますか?」

『はい』『いいえ』の二択。もうね、ここまで来て今更退けないでしょ。

『はい』

 

「アハハハハハハ!」

腹を2回、胸を1回。ユリはナイフでいきなり自らを刺す。は???嘘でしょ??????

サヨリは直前である程度覚悟してたけど、まさかユリが自殺するなんてことは想像してなかった。でもよく考えたら主人公が告白を受け入れたら最高に高揚してしまって自傷の究極系をやってしまうのは頷けるか。頷けるか???意味が分からない。俺が何したっていうのか。振った方が良かったのか…?

ユリの死体と、文字化けテキスト。このテキスト、初めはクリックしてたけどどうやらクソ長いっぽいのでスキップ。週末の2日間、ユリの死体と過ごすことになる。時間経過と共に瞳が灰色になり、頬は落ちくぼみ、血は黒ずんでいく。なかなか描写が細かい。ユリの死体を見たナツキは吐いて退場、モニカはコードを入力してユリナツキのキャラクターファイルを削除する。モニカ、やっぱりお前が黒幕か

そしてゲームからは主人公とモニカ以外居なくなり、モニカとの対面CG。ここでの発言がメタすぎる。Steamで遊んでいることすらバレている。何ならこちらを呼ぶ時主人公の名前じゃなくてPCのユーザー名に言い直したので真名看破された。進め方がよく分からなくて30分くらいモニカの話聞いてた気がする。これ詰んだ?と思ったが、そういえばキャラクターファイルをどうとか言っていたのを思い出した。モニカ以外の女の子は機械的な人格の集まりで、ゲームのディレクトリのキャラクターファイルを削除するだけで存在を消すことが出来るらしい。ディレクトリを確認すると、確かにモニカだけになっている。ということは...?

モニカを消してみる。モニカの姿は消え、残留思念?になる。自分がしてきたことへの後悔とプレイヤーへの懺悔を口にする。実は全て消すことは出来なかった、あの子たちが本物じゃないと分かってても、友達だったから、大好きだったから、と。みんなを幸せにするにはこうするしかないとゲームを復活させる。俺はもう口が開きっぱなしである。

勿論、そこにモニカの姿は無い。そこではサヨリが文芸部の部長となり、またユリナツキは仲良くなっており、前の周が嘘のように平和である。ここからどうなるのかあと何周するんだ?と思った瞬間、サヨリだけが映り急にBGMが消える。

モニカちゃんを消してくれてありがとう」えっ

サヨリが豹変しこちらに近づいた瞬間、モニカの残留思念?がサヨリを削除する。サヨリと主人公、そして文芸部に別れを告げ、画面が暗転する。

ここでYour Realityが流れ、ようやくEDを迎えた。CGが下から上へと流れていく。ここで気付いたのが、見ていないCGもあるということ。ユリ全ツッパだったせいでサヨリナツキのCGが全部灰色である。やはり一応ルートはあったらしい。ここでまた感心させられたのが、CGが画面半分より上に到達するとImage not foundとなりゲームから削除されていくこと。文芸部との思い出が、このゲームそのものが消えていく様を実に見事に表現している。スペシャルサンクスが主人公とモニカであるという粋な演出もあった。確かにこのゲームの進行はプレイヤーとモニカによるファイル操作がカギであるので、ある意味プレイヤーとモニカによる共同作業でこのゲームが進行したと言える。これほど第四の壁を超えるゲームがあるのか。語彙力が崩壊して凄いという感情しか出てこなかった。

EDが終わるとモニカからの手紙が表示される。本当の別れを告げられ、ゲームのスクリプトが破損し本当の終わりを迎えた。

とりあえず1回目を終えた感想は、やはりこのゲーム本当によく出来てるなぁと。ファイルの操作で話を進めるゲームとか聞いたことが無い。ビジュアルノベルはゲーム内の選択肢で進めるものだと勝手に思ってたのでそれを覆された。またゲーム内のキャラにファイルを操作させて、まるで本当にゲーム内に取り残されているかのような表現。見事としか言えない。あとヤンデレちょっといいなと思い始めた俺が居ることに気付いた

それと同時に、本当に文芸部に幸せな未来は無いのか、俺がどうにかして全員を幸せにしてあげることはできないのかという感情。出来ることなら皆が幸せな、少なくとももっとマシなEDを迎えたいという気持ちが芽生え、2回目のゲームを始める。

 

2回目

ストーリーは大体把握したので、ここからはどう攻略するかを考えた。まずどうにかしてサヨリの自殺を止めることは出来ないのか。1回目では選ばなかった選択肢を選んでいこうと決めた。

まず、攻略対象をユリからサヨリへ変更。好きそうな単語は大体把握しているので、難なく話は進んでいく。2日目くらいまでは話が良い感じに進んでいく。しかし、帰り道でナツキが一緒に帰りたいと言ったらどうするかと聞いてきた。あれ、この流れどこかで

翌日、やっぱりサヨリに元気が無い。詩を見せたら気に入ってはくれたもののやはり早々に帰ってしまう。文化祭の準備の選択でサヨリを選ぶが、ここでサヨリモニカは選んでも選択肢が潰れるだけであり、実質ナツキユリの二択であるということを知る。これは収穫かもしれない。1回目はユリ全ツッパだったのでここではナツキを選択。

そして日曜、ナツキが家に来る前にサヨリからの鬱病COである。どうやらサヨリを贔屓しようがしまいが確定らしい。そしてサヨリからの告白。1周目では告白を受け入れたので、ここでは親友を選ぶ。しかし今度は例のCGが表示されずにこのイベントが終わってしまった。何か1周目よりやばそうなんだけどこれ自殺までセットか?その直感は当たっていた。やはりサヨリの自殺は阻止出来ないらしい。分かっててもげんなりする演出である。

そして2周目、まぁ不気味な演出は1回目で見たしへーきへーき、と思っていたのだが。どうやらこれらの演出は変わるらしく、1回目で見なかった演出をいくつか見ることになった。今回の2周目はナツキ軸で進めたのだが、正直少し後悔した。マジでナツキの演出ビビるの多すぎでしょ。初めて見るCGだと思ったら目と口が黒い穴になる演出、CGは安全だと思ってたから完全に油断していた。2度目の詩の見せ合いなんてバリバリナツキ寄りで作詩したはずなのに何故かユリ寄り判定され、何が何だか分からないうちに暗くなり、目が黒い穴になり血涙を流したと思ったら首がパキッと90度折れ

「 わ た し と あ そ ん で ! 」

こちらに突進してきて上下左右反転したENDの文字。もうこのルート来たくない

この後の流れはもう1回目と同じである。ユリはやっぱりヤンデレだしナツキの良心も消される。この感じだと多分ダメだろうな、と半分諦めながらユリの告白を振ってみる。やっぱりユリは自殺したしモニカと二人だけになるしモニカ消したらEDを迎えた。

しかし2回目で分かったことは結構ある。まず1周目ではサヨリが、2周目ではユリがどう頑張っても自殺するということ。また1回目とは道中違うルートを進んだので、EDで流れるCGが変わったこと。そして何より選択肢そのものはストーリーに殆ど影響が無いということ。選べる選択肢は全て選んだが、ダメだった。では何をしていないか。

CG全部開放するしか無くね…?

しかし、3人のCGは詩の内容によって平行であり、一本道で普通に進めただけでは不可能である。このゲームは既にかなりメタいことをしてきたので、ここもメタ視点で考える必要があるだろう。

そういえばこのゲームは任意のタイミングでセーブとロードが出来た。この手のゲームのセーブとロードは選択肢を失敗した時のための保険と考えるのが普通だろうし、俺もそう思っていた。しかしこのゲーム、セーブスロットが選択肢に比べてやたら多い。ストーリーに影響しそうな選択肢はそれほど多くないのに、セーブスロットは1画面6スロットで10ページくらいある。本当はもっとセーブする機会があるということではないか。ここで1周目の2度目のモニカの詩を思い返すと、タイトルが『私をセーブして』なのに対し、締め括りが『私をロードして』だった。つまり、セーブとロードを繰り返しながら進めるのがカギだということの示唆ではないか。最初の作詩で3枠ルートを作り、それぞれ別の子を推しつつセーブとロードを繰り返してルート間を移動し、同時に進めることで可能なのではないか。という閃きを得たので、3回目のゲームを始める。

 

3回目

先ほどの気付きから、作詩画面で3スロット分セーブし、それぞれ一人を推していくことにする。順調に1周目で全てのCGを回収したので2周目は適当でいいが、ナツキの演出をなるべく見たくなかったのでユリ推し。そしてモニカと二人きりになり、ファイル削除までは同じである。

さてここからどう変わるか。モニカの居ない世界で3人が仲良く活動を始める。そしてサヨリとの会話。これまではここでサヨリが豹変し、モニカの残留思念がゲームを消すという形でEDを迎えていた。しかし、今回は違った。

「みんなとたくさんの時間を過ごしてくれてありがとう」

「また遊びにきてね?」「みんなここにいるから」「みんなアルミが大好きだから」

泣いた。いや実際には泣いてはいないのだが、心には込み上げて来るものが確かにあった。俺もみんなのこと大好きだよ...

これらの言葉だけでなく、EDでも非常に良い演出があった。これまではCGが画面半分より上に到達したタイミングで削除されていたのだが、何と今回は最後まで削除されずに流れていくじゃないか。まるで文芸部はずっとここにある、文芸部での思い出は永遠だ、と言っているかのように。

 

正直、グッドエンドとは言えないのかもしれない。サヨリユリの自殺は回避できないし、モニカも消さなければいけない。しかし、これらの演出だけでも彼女らが少しは救われたというのは伝わってきたし、というか一番救われたのは俺かもしれない。初見の記憶は今思い返してもげんなりするくらい衝撃的だったし、2回目からはなるべく幸せなEDにしたいと真剣に思った末でのこの演出、刺さらないはずがないだろう。たった10時間程度のプレイ時間だが、どうやら俺は自分で思ってる以上に文芸部の皆が、このゲームが好きになっていたらしい。

美少女ゲーかと思ったらメタいホラゲーだと思ったらメタくてちょっと怖いけど切ないノベルゲーだった。

そうして余韻に浸っていると、このゲームは無料だったことを思い出した。ここまで衝撃的で心を揺さぶられるゲームにお布施をしない選択肢はあるだろうか。いや無い。という事でファンパックを購入しようと思ったのだが、DDLC Plusというサイドストーリーが追加された新作が最近出ていたことに気付いた。こっちのが金額でかいしということでDDLC Plus買いました。

 

気が向いたらまたこういう文字読んでく形式のゲーム買って遊びたいと思った。容量とスペックにやさしいし 選択肢がしっかり影響するものもやってみたい。おすすめあれば是非教えて欲しい。

ストーリーざっと追いつつ書いていたら非常に長くなってしまった。まさか1万字超えるとはね。ここまで読んでくれた人居るのか分からないけど、もし居たらこんな纏まりの無い長文読んでくれて感謝。

 

おわり